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「TPO」

秋岡芳夫とモノモノ

秋岡芳夫(1920-1997)熊本県出身、東京工芸学校卒。
1953年、三人でデザイン事務所、KAKを設立。(金子至、秋岡、河潤之介)
オートバイから露出計などの工業デザインから絵本や学習雑誌の付録おもちゃまで幅広く活動したが、徐々に
生産と消費の関係に疑問を抱きはじめ、1970年代に入ると104会議室、グループ・モノモノ等を発足、生活
道具の在り方を研究する活動に入った。
(1960年代後半と言えば、まさに高度経済成長期でデザインに注目が集まっていたのに、企業は大量にデザイ
ナーを雇用する一方、独立したデザイン事務所の役割や立ち位置は双方に確固たるものが認識されていなかっ
たことも秋岡の行動を促したことは間違いないだろう。むしろ、ヨーロッパで根源的なデザインの意味を問う
前衛デザイン運動に繋がった、別の形のデザイン運動だったのかもしれない。)
以降、東北工業大学や共立女子大学の教授などを歴任しながら、岩手県大野村や北海道、置戸町プロジェクト
など、世界にも例を見ない新しい物作りの在り方を提唱、模索した。
特徴は目黒区の自宅に作ったドマ工房も含め、何と言っても「人が集まる」ことで、手作りの産地も流通も、
今迄の、どの分類にも属さない秋岡の発想や行動力に刺激を受けた人が多かった。デザインの捉え方はマイノ
リティーだが一つ一つが純粋で夢があり、大成功に結実しなかったが、貴重な軌跡をもたらしたと言えよう。

サイト→有限会社モノ・モノ



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